日本語論文ライティング

研究論文では、何を調べて何が分かったかを、読者が根拠をたどれる形で説明する。調査や分析の結果を示すだけでなく、そこから何を読み取り、先行研究に何を加えるのかまで述べる。

このガイドでは、主張と根拠の組み立て、文献の引用、日本語表現、推敲を、作例と図を使って説明する。初稿を書き進めるときにも、投稿原稿を読み直すときにも、必要な章から使える。章立てや必要な報告項目は、採用した研究方法と投稿先の要件に合わせて調整する。

論文の組み立て

根拠と結論

文体と用語

要約と推敲

本を読んで学ぶ

このガイドの使い方

論文の組み立てから学ぶ場合は、第1〜3章で主張、構成、段落の書き方を確かめる。分析結果が手元にあれば、自分の問いと現時点での答えを一文ずつ書き、答えを支える資料を並べてみる。そのうち一つを使って段落を書くと、自分の原稿に足りない説明を考えながら読み進められる。

執筆経験のある研究者や、すでに原稿がある人は、見直したい点に対応する章から読める。文献の紹介なら第4章、方法と結果なら第5章、結論の範囲なら第6章、表現の修正には第7〜8章を使う。投稿前の要旨と本文の照合には第9章、原稿全体の推敲や査読後の改稿には第10章が対応する。研究の問いや方法の計画については、研究計画書の作り方で扱っている。

例文、発言、数値、文献AとBは、説明のために作成した架空のものである。文章の書き方を検討するために用いた14冊と参照箇所は、参考文献と読みどころに示した。実際の原稿では、採用した研究方法に合わせて根拠や成立条件を説明し、投稿先が求める報告項目も確かめる。