8. 実行可能性を証拠で示す

第7章では、参加者を守る手続きと、必要な倫理審査や許可を整理しました。ここでは、それらの承認や許可を期限内に得られるかも含め、計画全体を使える時間と資源のなかで実行できるか確認します。

審査者は、計画そのものを実行できるかだけでなく、研究者が最後まで遂行できるかも確認します。必要な技能、期間、費用、データへのアクセスは、まとめて評価されます(Punch, 2016, 第2・7章; Saunders, Lewis & Thornhill, 2007, 第2章; Leavy, 2017, 第3章)。

計画書では、「実施可能です」と書くだけでなく、判断の根拠を示します。たとえば、協力先との事前相談、利用できるデータの確認、予備調査にかかった時間、過去の募集実績、機器やサービスの見積もり、受講済みの研修やこれまでの経験は、アクセス、期間、費用、技能の見通しを支える根拠になります。まだ確認できていないことは、希望で埋めず、誰に、いつまでに確認するかを書きます。

倫理審査、協力先の許可、募集、データ収集、分析、執筆にかかる時間と費用を見積もり、作業の順序と依存関係を確認します。工程を見やすくするにはガントチャートも使えますが、必須ではありません。質的研究や参加型研究のように、収集と分析を行き来する場合は、その進め方を文章でも説明します(Saunders, Lewis & Thornhill, 2007, 第2章; Bryman & Bell, 2011, 第3章)。

アクセス、期間、費用、技能のどれかが足りなければ、対象やデータの範囲を狭める、別の収集方法を選ぶ、必要な研修を受けるなど、計画を見直します。予定どおり進まない場合の代替策も決めます。方法を変えると、研究の質や倫理上の対応も変わるため、必要に応じて第5〜7章へ戻ります。RQを変える場合は、第3・4章へ戻り、研究問題→目的→RQのつながりと意義も見直します。

最後に、第5章で作ったTwo-Pagerの初稿を更新します。第6〜8章の検討で変えたRQや方法を反映し、「何を明らかにするのか」「どう明らかにするのか」と、実施できる見通しが食い違っていないかを確かめます。ここまで説明できれば、研究デザインのマイルストーンは完了です。次の章から、研究計画書の形に整えていきます。


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