1. 計画書で答える4つの問い

良い計画書は、全体として、審査者が知りたい次の4点に答えています。この段階ですべてを決める必要はありません。まず「何を」「なぜ」の仮案を作り、「どうやって」「本当に実行できるか」は後のマイルストーンで具体化します。

  1. 何を明らかにするのか:研究目的と研究質問を具体的に示します。
  2. なぜ明らかにする必要があるのか:研究上の問題、先行研究の不足、学術的・実務的な意義を示します。
  3. どうやって明らかにするのか:必要なデータ、収集・分析方法、研究の質を確保する方法が、問いに合っていることを示します。
  4. 本当に実行できるのか:対象へのアクセス、倫理、期間、技能、費用、リスクへの備えが現実的であることを示します。

項目の多さよりも、この4点を一続きに説明できているかが重要です。まず暫定的な問いを置き、背景と先行研究を調べながらその問いを更新します。更新した問いに合わせて方法を決め、得られる結果を予定する貢献につなげます。計画書全体に、この流れを通します。

この4つの問いへの答えを説得力のある説明にするには、次の5つの要素も役立ちます。主張は「何を」、理由は「なぜ」、証拠と論拠は「どうやって」に主に対応し、異論への応答は方法の限界や実行可能性を確かめるものです(Booth et al., 2016, 第7〜11章; Turabian, 2018, 第5章)。

計画書を書く段階では、まだ結果は出ていません。そのため、結果を約束する必要はありません。代わりに、「このデータが得られれば、どの問いや仮説を、どの分析で検討できるか」を示します。主張は、証拠で支えられる範囲にとどめます。不確実な点や、主張が成り立つ条件も明記した方が、計画書の信頼性は高まります。

補足:期待どおりの結果でなくても価値があるか

問いの価値を確かめるときは、計画の価値を期待どおりの結果だけに依存させないことも大切です。Saundersらは、何が判明しても同じように意味のある研究報告につながることを、結果の対称性と呼んでいます(Saunders, Lewis & Thornhill, 2007, 第2章)。

これは、「望ましい結論が出たときだけ価値がある研究になっていないか」を確かめる、テーマ選びの目安です。たとえば、次のような結果をあらかじめ考えます。

主な結果のパターンごとに、「何を主張できて、何を主張できないか」を確認します。

ただし、測定に失敗した場合、重大な欠測がある場合は、結果を判定できないことがあります。これは、結果の対称性とは区別します。


← 前:はじめに 目次 次:2. 提出先が求める事項を確認する →