第1章 おにぎりの2つの顔

コンビニでおにぎりを買うとしましょう。値札には150円と書いてあります(説明用なので消費税は無視します)。そのおにぎりを買うかどうかは、「美味しそうか」と「150円を払いたいか」で決まります。つまり、おにぎりには2つの顔があるということです。

家のおにぎりと店のおにぎり

おにぎりは空腹を満たします。モノが人の役に立つことをマルクスは「使用価値(use-value)」と呼びました。家で作ったおにぎりには使用価値があります。コンビニで売っているおにぎりにも使用価値はあります。ただし、コンビニのおにぎりは、代金と引き換えに手に入れなければなりません。このように、使用価値があり、他の人と交換するために作られたものが「商品」です。

自分で作って食べるおにぎりは商品ではなく、交換のために作って売るおにぎりは商品です。

図1.1: 自分で作って食べるおにぎりは商品ではなく、交換のために作って売るおにぎりは商品です。

おにぎり2個とノート1冊

コンビニでは、おにぎりの隣にノートがありました。ノートは300円で売られています。あなたが300円を持っていれば、「おにぎり2個」または「ノート1冊」が買えます。ただし、ノートでは空腹は満たせませんし、おにぎりにはメモを書き込めません。それでも買い物では同列に扱えます。

ある商品が別の商品とどれくらいの割合で交換されるかを表すものが「交換価値(exchange-value)」です。この例では、おにぎり2個とノート1冊が、同じ300円というお金で交換可能です。

おにぎり2個とノート1冊は300円で買えますが、使い道はそれぞれ違います。

図1.2: おにぎり2個とノート1冊は300円で買えますが、使い道はそれぞれ違います。

では、おにぎり2個とノート1冊がなぜ交換できるのでしょうか?マルクスはどちらも「人の仕事によって作られた」という点に目を向けました。次の章では、「仕事」について調べます。


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