[映画] 我々は宇宙人
大傑作でした。日本の男児の描き方が秀逸。他人とのわかりあえなさの描き方もうまい。いくつかのモチーフが反復するのもいい。テーマとしては、本質的に人と人はわかりあえないが、捉え方次第で関係のあり方は変わる。あなたはどう捉えるか?という感じだろうか。いろんなタッチで描かれた画も素晴らしかった。
現実には、さまざまな経験を乗り越えながらみんな「大人」になっていくので、本作で描かれるような状況は「ありえない」、あるいは極めて「例外的」なものに思える。現実のモノが作中にいくつも登場し、リアリティラインが意図的にかなり高めに設定されているからこそ、なおさらそう感じてしまう。
だが一方で、リアルだからこそ「あながちなくもない」と思えてくる。「どこかで実際に起きていてもおかしくない」とすら思える。そうすると、実際に幼少期に辛い体験をした人たちのなかには、本作を受け入れがたいと感じる人もいるかもしれない。そのあたりは難しいところだが、「本質的に人と人はわかりあえない」からこそ、それでも他人とどう向き合うのかが問われているような作品だった。
個人的にはもう小学生の子育ては終えたけれど、心身の発達状況や家庭環境でどうしても個人差が生まれてしまう学童期は、非常に残酷なんだよな……。