風邪治療のベストプラクティス

子どもができてから頻繁に風邪をひくようになった。これは自分だけでなく、「子どもに接触すると風邪をひきやすい」というデータがきちんと出ているらしい。子どもに接触することは避けられないのだから、風邪にかからないようにするための予防策よりも、「風邪をいち早く治す」ベストプラクティスが知りたい。

基本知識

風邪の病原菌は細菌ではなくウィルスである。したがって、抗生物質は効かない。「風邪薬」は症状を緩和するだけで、風邪が治るわけではない。

(追記)とはいっても、風邪によって体力が奪われ、別の病気にかかりやすくなり、そこで細菌感染するという流れもなくはないので、抗生物質を処方することもあるそうだ。

風邪は治らないだと?

風邪は薬で治るわけではないけれど、体内にはウィルスと戦ってくれる奴が存在する。それが「リンパ球」である。

リンパ球がウィルスを退治すれば体内に抗体ができる。抗体ができれば同じウィルスの風邪にかかりにくくなる。ただし、風邪のウィルスは何百種類もあるので、風邪全般にかかりにくくなるわけではない。

抗体のことはさておき、このリンパ球を活性化させれば、ウィルスを早めに退治できるということになる。そして、このリンパ球が活性化するのは、副交感神経優位の状態であると言われている。

副交感神経優位の状態にたどりつくには、リラックス・睡眠・食事などをすればいい。また、リンパ球には水分が欠かせない。この点から風邪をひいたときに水分補給をするのは理にかなっていると言える。さらには、発熱はリンパ球がウィルスと戦っている証拠なので(破壊された組織の修復のために血流を増やしている)、むやみに下げてはいけない。

つまり、風邪をひいたときのベストプラクティスは以下になる。

  • 睡眠
  • 水分補給
  • 温かくする

なんというか、いたって普通だ……。

このことは「普通じゃないことをする必要はない」ということでもある。交感神経が優位の状態になるような、興奮・運動・熱すぎる風呂・カフェインの入った栄養ドリンクなどは避けたほうがいい。風邪になったからといって、普段以上に栄養が必要になることはない。

ベッドに横になり、お湯を飲みながら水分と温度を摂取して、何もせずにゆっくりしておこう。

症状の緩和

風邪を治すことはできないとはいえ、症状を軽減することはできる。ただし、総合感冒薬にはアスピリンやアセトアミノフェンほどの効果はない。個々の症状にあわせて単一成分の薬を飲むほうがいい。

喉の痛み

生理食塩水でうがい。またはキャンディー。「リコラ オリジナルハーブキャンディー」がオススメ。

(追記)のどに直接スプレーする薬やプロポリスなんかもよいと聞いた。

頭痛・倦怠感・微熱

アセトアミノフェンなどの鎮痛薬かイブプロフェンやロキソニンなどの抗炎症薬。

鼻づまり

生理食塩水で洗浄。点鼻薬。

鼻水とくしゃみ

抗ヒスタミン剤。第一世代(眠くなる)と第二世代(眠くならない)があるが、風邪に効くのは第一世代のほうだけ。

別に止めなくてもいいが、止めたいなら第一世代の抗ヒスタミン剤と鼻炎薬がいい。咳止めドロップには効果がない(高いだけ)。咳止めシロップは使ってはいけない(逆に悪化する)。

効果がないもの

抗生物質・亜鉛・ビタミンC・ビタミンD・運動・ニンニクなどなど。ただし、プラセボ効果は期待できる。

予防策

風邪は鼻から感染するので、「目→(涙経由)→鼻」や「手→鼻」を接触させないこと。石鹸やアルコール入り殺菌ジェルでこまめに手を洗う(ウィルスは除”菌”できないので手から丁寧に落とす)。口からは滅多に感染しないので、マスクにはさほど効果がない(が、インフルエンザなどは口からも感染する可能性があるのでマスクしましょう)。

参考書

  • 安保 徹 (著) 『こうすれば病気は治る―心とからだの免疫学』新潮社
  • ジェニファー・アッカーマン (著), 鍛原多惠子 (翻訳) 『かぜの科学―もっとも身近な病の生態』早川書房