インストラクショナルデザインとは

「インストラクション」を「デザイン」する学問領域。インストラクションとは、意図を持って教える行為。インストラクションの環境や学習者も含めて「すべて」をデザインすることが、インストラクショナルデザイン(ID)である。

「正しい教育」よりも、学習者の成功によって効果を測定する(事前テストと事後テスト)。ただし、いわゆる「テスト」よりも「転移課題」(応用的な問題)。

ベンジャミン・ブルームによる3つの学習領域:

  1. 運動的領域(物理的な動作)... skill
  2. 認知的領域(知識と思考)... knowledge
  3. 情意的領域(感情と態度)... attitude

1. 運動的領域

1-1. スモールステップ

「いちどにひとつのこと」「うまくいったときにやめる」「ステップを上げたら基準を一時ゆるめる」などなど。(『うまくやるための強化の原理』より)

最初は100%成功できるようなもの。後半は成功確率50%くらい。

1-2. 即時フィードバック

「即時」とは1分以内。行動分析学を参考に。行動随伴性。好子/嫌子(主に好子を使う)。プレマックの法則。

フィードバックがなくてもうまくやれるのは、ルールが個人に内在化しているから。これを「ルール支配行動」と呼ぶ。

2. 認知的領域

2-1. 話し手の説明と受け手の記憶

  • 3つ程度に抑えて短期記憶に入るようにする。
  • それを長期記憶に入れてもらうには……中心的な情報を与えてから、追加的に関連情報を与えることで、情報のネットワーク構造を作ってもらう。あるいは言語とイメージで伝える。
  • 学習者との関連性が重要。

このへんは認知心理学などを参考に。

2-2. 認知を変えてもらう

  • 既存のスキーマを更新(間違った知識があれば、先にそれを修正する)
  • 応用できるようにする(教室でしか使えない、をなくす)
  • メタ認知

3. 情意的領域

いわゆるマインドセット。基本的には教えられない!

  • 態度は行動(の実行という選択)によって表現される。
  • 態度を教えるには「コミュニティにおけるアイデンティティの獲得」が重要となる。
  • コミュニティにおける「価値体系」を学ぶことに他ならない。→ コミュニティオブプラクティス。

コースの設計

導入(ラポール、方向づけ[ゴール]、動機づけ[ニーズ])

  1. ニーズ → 学習者の動機(内部/外部)やスタイルも含めてさまざまな観点から決定する
  2. ゴール → 観測可能であること、前提・事前・事後テスト、事前テストは0点が理想
  3. リソース
  4. 活動 → 学習者の活動
  5. フィードバック → 教え手から学習者へ(強化・情報・コミュニケーション)
  6. 評価 → 学習者と学習コースについて、学習者検証の原則、ARCS動機モデル

参考書

上手な教え方の教科書 ~ 入門インストラクショナルデザイン

著者: 向後 千春
出版日: 2015-08-05
出版社/メーカー: 技術評論社
カテゴリ: Book

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

著者: 杉山 尚子
出版日: 2005-09-16
出版社/メーカー: 集英社
カテゴリ: Book

うまくやるための強化の原理―飼いネコから配偶者まで

著者: カレン プライア
出版日: 1998-06
出版社/メーカー: 二瓶社
カテゴリ: Book